分社化には5つのメリットがある!併せて知りたい3つのデメリットもそれぞれ解説

近年は分社化して事業拡大する企業がいくつも見受けられます。

分社化には様々なメリットがあるため、このメリットを活かしたいと考えるのでしょう。

ひとつの大きな会社を続けるよりも、分社化して小さな会社を設立したほうが良いケースは多々あります。

確かに分社化には様々なメリットがあるのですが「分社化にはメリットがあるらしい」としか認識できていない人も多いようです。

このような状態では分社化してもメリットを活かしきれないため、今回は分社化のメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

分社化とは「会社を分ける」行為を指します。

これはキーワードから大まかなイメージを持ってもらえると思われますが、以下では具体的にどのような手続きであるのか細かくご説明します。

分社化の手続き方法

「分社化」とまとめられて表現されるケースが多いですが、分社化の手続き方法はいくつも存在し、代表的なものは以下のとおりです。

  • 新設分割:分割した事業などを新しい会社として存続させる
  • 事業譲渡:新しく会社を設立して事業の権利などを譲渡する
  • 吸収合併:分割した事業を既存の別会社に譲渡した継続させる

どの手続き方法を採用するかによって、税金の処理などが変化してきます。

例えば事業を譲渡する際は「譲渡損益」を意識しなければなりませんが、新設分割や吸収合併であれば特定の状況下で譲渡損益を意識する必要がありません。

譲渡損益を意識するかどうかは分社化のメリットやデメリットにも影響する部分であるため、分社化の手続きを検討する際に意識すると良いでしょう。

分社化と子会社化の違い

経営に関するキーワードに「子会社化」もあります。

似ているキーワードであるため、これらの違いについてもご説明します。

子会社化とは、親会社が資本金を提供して親子関係にある会社を新しく設立することです。

親会社はひとつだけのケースが多いですが、複数の会社が資本金を提供して会社を設立する場合もあります。

設立の仕方によって子会社には複数のパターンがありますが、どのパターンでも子会社の設立は子会社化と呼びます。

それに対して分社化は、上記でご説明したとおり分社化前の会社が保有する資産などを分割して、新しく別の会社を設立することです。

分社化前の会社も分社化して設立した会社もそれぞれが存在するため、子会社とは会社設立後の状況に違いがあります。

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分社化によるメリットは様々考えられ、例えば以下が挙げられます。

  1. 経営の効率化が期待できる
  2. 法人税を節約できる可能性がある
  3. 社員のモチベーションを高められる
  4. 経営面でリスクヘッジができる
  5. 事業継承に向けた準備ができる

メリット1:経営の効率化が期待できる

分社化によって会社の規模が小さくなることで、経営の効率化が期待できます。

規模の大きな会社は経営判断に時間を要するなど経営面での無駄が生じがちですが、分社化すればこのような無駄は最小限に抑えられるのです。

どの程度の効果が得られるかは、分社化前と分社化後の会社規模によって大きく左右されます。

大規模から小規模な会社へと変化すれば、大きく経営が効率化されるでしょう。

分社化前の会社が大きければ大きいほど、分社化によって経営の効率化ができるはずです。

逆に分社化前の規模がそこまで大きくなければ、経営の効率化に関するメリットが薄れてしまうかもしれません。

分社化前もある程度はスムーズに経営が行われていたと推測できるからです。

メリット2:法人税を節約できる可能性がある

分社化して会社の規模を小さくすることによって、法人税を節約できるメリットがあります。

分社化しても規模が大きい場合はメリットを受けられない可能性がありますが、支払うべき法人税の額が少なくなると大きなメリットです。

こちらのメリットを受けられる背景には、中小企業における法人税の仕組みが挙げられます。

基本的に法人税は一定の税率が適用されますが、中小企業においては一定の所得まで減税措置が取られる場合があるのです。

タイミングによって法人税の仕組みは変化するものの、このような減税措置が適用されれば、法人税の額が低くなり、ひとつの会社で法人税を支払うよりも納税額が少なくなります。

また、法人税ではありませんが消費税も一定条件下で免除される仕組みがあります。

必ず節約できるとは限らないものの、分社化によって節約できる可能性があるためメリットです。

メリット3:社員のモチベーションを高められる

分社化して会社の数が増えると、それぞれの会社に役職のポジションが用意されます。

役員が必要となり、部門ごとに管理職も必要となります。このように分社化すれば新しいポジションの設立が可能となり、ここを目指す社員のモチベーションを高められるメリットがあります。

分社化するような大規模な会社では、従業員が多く出世しにくい状況になりやすいでしょう。

そのような状況では「頑張っても昇進しない」とのイメージが根付いてしまい、従業員のモチベーションが下がりかねません。

人によりますが出世は一つのモチベーションとなるため、出世しにくい環境は可能な限り避けたいのです。

そのような観点から考えると、分社化で必要なポジションを増やすことには大きなメリットがあります。

もちろん必要以上に管理職を増やす状況は考えものです。

しかし、適切な数のポジションが増えれば社員のモチベーション向上につながります。

メリット4:経営面でリスクヘッジができる

分社化して新しい会社を設立しておくことで、経営面でのリスクヘッジができます。

経営面でのリスクは数多くあり、以下のようなリスクヘッジが可能です。

◆人材面でのリスクヘッジ

分社化すると新しく会社を設立するため、社長など会社の経営に重要な人物を新しく用意します。

人材の確保は手間がかかる部分でデメリットとも考えられますが、重要な人物を複数人用意することはリスクヘッジにつながります。

ひとつの大きな会社で経営を続けていると、すべての事業を少ない役員で評価する必要があります。

会社の規模が大きくなればなるほど、役員の負担も増えてしまうのです。

また、体調不良などで役員が業務に従事できなくなった場合の影響も広がってしまいます。

しかし、分社化しておけばそれぞれの会社に役員がいる状態です。

また、それぞれの役員が責任を持つ範囲が小さくなり、上記のようなトラブルが発生しても影響範囲は最小限に抑えられます。

つまり、人材面でのリスクヘッジが可能です。

◆ガバナンス面でのリスクヘッジ

万が一業務停止などの処分を受けてしまった場合に、分社化していると影響範囲を最小限に抑えられます。

特に会社単位で業務停止になった場合は、分社化しているかどうかが非常に重要なポイントです。

ひとつの会社で業務停止処分を受けてしまうと、問題を起こした部門以外にも影響が出てしまいます。

会社の規模が大きいとそれだけ影響を受ける範囲が広くなり、クライアントにも迷惑をかける原因となりかねません。

それに対して分社化しておけば、万が一トラブルがおきてもその会社のみが影響を受けます。

仮に業務停止処分などを受けてしまっても、他の会社に影響を与えることはありません。

ガバナンス面でのリスクヘッジは非常に重要で、分社化はリスクヘッジに役立ちます。

◆金銭面でのスクヘッジ

会社を分社化するとそれぞれの会社で予算などを管理するようになるため、金銭面でリスクヘッジできるメリットがあります。

金銭面でのメリットは分社化において重要であるため、必ず理解するようにしておきましょう。

金銭面で特に理解しておくべきは、「赤字が他の会社に影響しない」という部分です。

黒字についても同様のことがいえますが、リスクヘッジという観点では赤字に注目しなければなりません。

分社化しておくとその会社が赤字になっても、他の会社には影響を与えないのです。

ひとつの会社で売上を管理していると、部門ごとの赤字と黒字が相互に影響してしまいます。

特にどこかの部分で赤字が出てしまうと、黒字部門の利益を食いつぶしてしまうのです。

これでは会社全体の業績が上がらない状況になってしまいますが、分社化すればそれぞれの会社の評価となり、赤字が発生した場合のリスクヘッジができます。

メリット5:事業継承に向けた準備ができる

基本的に分社化は事業ごとに新しく会社を設立するため、M&Aや事業継承などに対応しやすくなります。

ひとつの会社で特定の部署だけを売却したり買収したりするのは難しいですが、分社化して体制を整えていると実現しやすいのです。

まず、既存の会社から分社化しておくと、特定の部分だけを切り出した状況を実現できます。

この先、どこかしらの会社に事業を継承させたいならば、分社化した会社だけを売却すれば良いため、スムーズに手続きできるメリットになります。

また、新しく会社を買収する場合に分社化が進んでいれば全体の体制を整えやすいでしょう。

既存の会社に買収された側の人材を吸収するのは手間がかかりますが、分社化の体制が整っていればグループ会社がひとつ増えるだけです。

上記では分社化によるメリットをご説明しましたが、実際にはメリットだけではなくデメリットも存在します。例えば以下のようなデメリットが生じる可能性があるのです。

  1. 経営コストが増えかねない
  2. 必要に応じて再度の許認可申請が求められる
  3. 株主の同意が必要となる

デメリット1:経営コストが増えかねない

分社化によって経営コストが増えてしまう可能性があります。

単純に会社の数が増えてしまうため、さまざまなコストが発生してしまうのです。

例えば以下のようなコストが該当します。

  • 事務所の家賃や光熱費
  • 重複する管理部門の人件費(経理や人事など)
  • 各種顧問契約の費用

これらが全てではありませんが、分社化すると重複するコストが発生してしまいます。

ひとつの会社であれば発生しないコストが生じてしまう点は分社化のデメリットだと考えておきましょう。

ただ、このようなコストは分社化のメリットと相反する部分があるため、メリットとデメリットの両面から評価する必要があります。

なお、顧問契約の費用などは複数の会社で契約することで割引を受けられるかもしれません。

そうなれば分社化前の会社も分社化後の会社も支払うコストが少なくなり、全社的に見るとデメリットを抑えられる可能性があります。

デメリット2:必要に応じて再度の許認可申請が求められる

分社化して新しく設立した会社で許認可の必要な事業を営むならば、改めて申請をしなければなりません。

申請には時間やお金が必要となるため、許認可が引き継がれない点はデメリットです。

場合によっては許認可の都合で、分社化してもすぐに事業を営めない可能性があります。

許認可の再申請が必要となる理由は、分社化する前の法人と分社化した後の法人は別の法人格であるからです。許認可の内容にはよるものの、基本的に許認可は特定の法人や個人に対して出されます。

分社化などの過程でどこかしらに引き継げるものではないのです。

あらかじめ許認可について意識しておかなければ、分社化したことによって事業へ大きな影響を与える可能性があります。

時と場合によっては分社化のメリットを超えるデメリットを生み出しかねないため、特に意識しておきましょう。

デメリット3:株主の同意が必要となる

分社化にあたっては現在の株主から同意を得なければなりません。

株主総会で特別決議を得る必要があり、役員の判断だけで自由に分社化することは不可能です。

また、特別決議を得るためには以下の条件を満たしていなければなりません。

  • 株主の過半数が出席している
  • 出席した株主の中で3分の2以上の同意を得る

まず、株主の過半数が出席している株主総会でなければ特別決議を得られません。

分社化を考えているならば、株主に株主総会へ出席してもらえるような段取りをしなければならないのです。

また、出席した株主の中で3分の2以上の同意が必要となるため、分社化に賛成してもらえるような準備も求められます。

言い換えると、分社化に反対する株主が多ければ、いつまでたっても分社化に関する特別決議を得られません。

株主に賛成してもらえるように説明などを繰り返す必要があるのはデメリットです。

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分社化のメリットやデメリットについてご説明しました。

分社化がどのような手続きか正しく理解できていない人が多いかもしれませんが、今回のご説明で大まかなイメージは持ってもらえたでしょう。

分会社には大きく分けて3つの手法があるため、まずはこれらの手法について理解することが重要です。

また、分社化の手法について理解できれば、続いてはメリットやデメリットについて理解しなければなりません。

分社化のメリットに注目されることが多いですが、実際にはメリットだけではなくデメリットも存在します。

どちらについても理解しておかなければ、分社化してから後悔することになりかねません。
もし、メリットを踏まえて分社化したいと考えているならば、まずは24時間受付の経営サポートプラスアルファにご相談ください。

会社経営や会社設立のプロが皆さんの状況をヒアリングし、分社化の方針作りや手続きをサポートします。

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