事業目的は、たくさん書いたほうがいい?適切な事業目的の数とは
定款の事業目的はたくさん書いた方がいいのか、解説していきます。
適切な事業目的の数についても紹介します。
事業目的をたくさん書きすぎる場合のデメリットについて、説明します。
事業目的は幅広い分野で、ある程度たくさん書いていく必要がありますが、たくさん書きすぎるとデメリットがあるのです。
一方で事業目的をある程度たくさん書くメリットもあります。
事業目的の書き方や、書く際のポイントについても説明していきます。
事業目的をたくさん盛り込むのは、問題ない?
定款の事業目的をたくさん盛り込むのは、問題ないのでしょうか。
事業目的は実際に、事業していく内容なので、できるだけたくさん書いた方が良いのでしょうか。
事業目的について説明した後、事業目的をたくさん書いた方がいいのかどうか説明していきます。
事業目的とは?
会社設立する際は、会社の規則やルールを記載した定款を法務局に提出する必要があります。
定款は、会社の憲法とも呼ばれています。
その定款の中に、必ず記載しなければいけない絶対的記載事項というものがあります。
絶対的記載事項は会社名や本店所在地などの他、事業目的があります。
事業目的とは事業の内容について、記載したものです。
将来やる事業目的もふくめてたくさん書くのは、問題ない
将来やる事業目的も含めてたくさん事業目的を書くのは、問題がありません。
会社設立後からすぐに行う事業以外にも、将来やる可能性のある事業目的は、書いても良いのです。
事業目的に書いた事業以外は、基本的にビジネスできないため、将来やる可能性のある事業目的は、書いておいた方がいいでしょう。
ただし事業目的を書く際には、いくつか注意点があります。
まず明確な文章の必要があります。例えば事業目的を、「営利を目的とする一切の事業」というような文では、抽象的過ぎます。
例えば食品に関する事業の場合には、「健康食品及び自然食品の製造並びに販売」というように具体的にイメージできる事業目的を書いていきます。
そして事業目的は、法律に沿った内容の必要があります。
違法なものを取り扱うような事業目的は認められません。
また事業目的は、営利目的の必要があります。事業目的に、ボランティアや寄付行為を目的としたものは認められないのです。
以上が、「将来の事業目的を含めてたくさん書くことは問題ない」という説明でした。
あまりに幅広い分野で事業目的をたくさん書くのは、問題ある
あまりに幅広い分野で事業目的を、たくさん書くのは、問題があります。
将来やる可能性のある事業は網羅する必要がありますが、あまりに広い分野の事業をたくさん書きすぎるのは問題があるのです。
定款の事業目的は、金融機関や取引先がチェックすることがあります。
その際に、あれやこれやとたくさん事業目的が書いてある場合には、不審がられることがあります。
例えば、建設業をやっていて、飲食業をやっていて、不動産業をやっていて、そして青果業をやっているとなると、この会社は何の会社なのか全く分からなくなってしまうからです。
将来やる可能性のある事業を網羅する必要がありますが、あまりに幅広い分野でたくさんの事業目的を書くのやめましょう。
事業目的をたくさん書きすぎる場合のデメリット
改めて事業目的をたくさん書きすぎる場合のデメリットについて整理しましょう。
事業目的をたくさん書きすぎる場合のデメリットは、以下の通りです。
- 信用を失う
- 融資が下りなくなる
事業目的をたくさん書いている場合のデメリットをそれぞれ、説明していきます。
【事業目的をたくさん書きすぎる場合のデメリット1】信用を失う
事業目的をたくさん書きすぎる場合のデメリットは、「信用を失う」ということです。
取引先が自社の定款の事業目的を見た際に、たくさんの事業目的が書かれていると、何をやっているのか分からない会社だと信用を失ってしまいます。
信用を失った結果、取引をしてもらえないということもあるかもしれません。
会社というのは、複数の事業をやっているのが普通ですが、それでもメインとなる事業があるはずです。
事業目的は、メインとなる事業を中心に書いていく必要があるでしょう。
以上が事業目的をたくさん書きすぎる場合のデメリット一番目の、「信用を失う」ということです。
【事業目的をたくさん書きすぎる場合のデメリット2】融資が下りなくなる
事業目的をたくさん書きすぎる場合のデメリット2番目は、「融資が下りなくなる」ということです。
定款の事業目的は、金融機関が融資を審査する場合に、必ずチェックします。
その際に事業目的をたくさん書きすぎる場合には、会社の主軸となる事業が分からなくなり、審査に落ちてしまう可能性があります。
事業目的をたくさん書きすぎる場合には、「融資が下りなくなる可能性がある」ので注意が必要です。
事業目的をある程度たくさん書くメリット
一方で事業目的をある程度たくさん書くメリットについても整理していきましょう。
事業目的をある程度たくさん書くメリットは、以下の通りです。
- 将来の事業をカバーできる
- 定款の変更が少なく済む
事業目的をある程度たくさん書くメリットについて、それぞれ説明してきます。
【事業目的をある程度たくさん書くメリット1】将来の事業をカバーできる
事業目的をある程度たくさん書くメリット一番目は、「将来の事業をカバーできる」ということです。事業目的には、会社設立後すぐやる事業だけでなく、将来やる可能性のある事業も書けます。
メインとなる事業の他に、全く関連のない事業をやる可能性があるならば、書いておいた方が良いでしょう。
例えば飲食店の事業をする場合に、将来商品販売もする可能性があるならば、書いておいた方が良いということです。
以上が事業目的をある程度たくさん書くメリット一番目の、「将来の事業をカバーできる」です。
【事業目的をある程度たくさん書くメリット2】定款の変更が少なく済む
事業目的をある程度たくさん書くメリット2番目は、定款の変更が少なく済むということです。
事業目的に書いてない事業を後からする場合には、定款の変更が必要になってきます。
ある程度たくさんの事業目的を書いておけば、定款変更が少なくて済みます。
定款変更には手間と費用がかかるため、ある程度たくさんの事業目的を書いておくとよいでしょう。
以上が事業目的をある程度たくさん書くメリット2番目の「定款の変更が少なく済む」です。
基本的に事業目的の範囲内で事業する必要があるが、たくさんの事業展開をしても問題ない
法律上基本的には、事業目的に書いた範囲内でしか、事業ができません。
しかし事業目的に書いたもの以外の事業を行ったとしても、問題になることはあまりありません。
会社というのは、複数の事業をして営利を目的とした組織です。
そのためメインの事業と離れた事業をしたとしても、メインの利益を支える事業として捉えられるからです。
例えばインターネット事業で利益を得た場合に、その利益を寝かせておくのはもったいないとして、不動産投資をした場合に、問題になるかと言うとそれほど問題にはなりません。
しかし、ビジネスをしていく上で、事業目的以外のビジネスをすると支障が出る場合があるので、事業をする内容は、事業目的に書いておいた方が良いでしょう。
たくさんの事業目的を書く際のポイント
たくさんの事業目的を書く際のポイントは、以下の通りです。
- 同業他社の定款の事業目的を見て参考にする
- 事業目的は、たくさん書きすぎず5個~10個程度におさめる
- 事業目的は、たくさん書かず、メインの事業を中心に書いていく
- 事業目的は、許認可に適した文言をたくさん使う
事業目的を書く際のポイントを、それぞれ説明していきます。
同業他社の定款の事業目的を見て参考にする
事業目的を書く場合には、「同業他社の定款の事業目的を参考にする」と良いです。
自分が事業を行おうとしている分野の企業の名前を入れて検索していきます。
例えば自分が不動産に関する事業を行うとしている時に、「住友不動産 定款」のように検索します。
そうすると住友不動産の事業目的が見られます。
事業目的を見ると、一番初めに、「不動産の取得、処分および賃貸借」とあるので、参考にできます。
そして、メインの事業から書いてることも分かります。
たくさん事業目的を書く例として、住友不動産の事業目的に「コンピューターソフトウェアの開発・販売」などが書いてあることも参考になります。
以上が、「同業他社の定款の事業目的を見て参考にする」です。
事業目的は、たくさん書きすぎず5個~10個程度におさめる
事業目的はたくさん書きすぎず、5個から10個程度におさめるのが理想です。
大企業の定款に書いてある事業目的を見ればわかりますが、大企業であっても10から20程度です。
ソフトバンクのように大きな事業を複数たくさん行っている場合には、50個以上になることもありますが、基本的には5から10個程度にしておいた方が良いでしょう。
また事業目的に書いた、事業は全て行う必要は、ありません。
以上が、「事業目的はたくさん書きすぎず、5個から10個程度におさめる」ということです。
事業目的は、たくさん書かず、メインの事業を中心に書いていく
事業目的はたくさん書かず、メインの事業を中心に書いていきます。
すぐにやる事業と将来やる可能性のある事業を順番に書いていきます。
そして事業目的の一番最後に、「前各号に付帯または関連する一切の業務」と記載しておけば関連した事業を行うことが可能です。
以上が事業目的はたくさん書かず、メインの事業を中心に書いていくということです。
事業目的は、許認可に適した文言をたくさん使う
事業目的は許認可に適したものを、たくさん使うようにしましょう。
同業他社の事業目的を参考にすることで、許認可に必要な文言を使えます。
ちなみに許認可が必要な、事業目的は例えば、次のようなものがあります。
業種 | 要件 | 所管官庁 |
建設業 | 許可 | 国土交通省都道府県 |
電気工事 | 登録 | 都道府県 |
居酒屋、レストラン | 許可 | 保健所 |
介護事業 | 認可 | 都道府県 |
事業目的については、例えば飲食店については、次のような書き方ができます。
- 飲食店及び喫茶店の経営
許認可に必要な文言が事業目的に書いていないと後から定款の修正が必要になることがあります。
分からない場合には、あらかじめ官公庁に問い合わせしておくと良いでしょう。
以上が、「事業目的の許認可に適した文言をたくさん使う」です。
【まとめ】事業目的をたくさん書きすぎないようにしよう
事業目的をたくさん書きすぎないようにしましょう。
事業目的をたくさん書きすぎる場合のデメリットは、以下の通りです。
- 信用を失う
- 融資が折りなくなる
一方である程度の事業目的をたくさん書くことのメリットは、以下の通りです。
- 将来の事業をカバーできる
- 定款の変更が少なく済む
事業目的を書く際のポイントは以下の通りです。
- 同業他社の定款の事業目的を見て参考にする
- 事業目的は、たくさん書きすぎず5個~10個程度におさめる
- 事業目的は、たくさん書かず、メインの事業を中心に書いていく
- 事業目的は、許認可に適した文言をたくさん使う
事業目的を書く際の参考にしてみてください。
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定款の事業目的をたくさん書くことについて見てきました。
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