ポジティブイメージ拡大中!ダンススタジオ開業にあたり必要なことまとめ

学校の授業でダンスが必修になって10年が経過しました。

かつては「創作ダンス」が中心だったダンスの授業も、ヒップホップなどまったく新しい形のダンスが学校に取り入れられています。

EXILEなどダンスを中心にしている歌手、グループの浸透も大きいのですが、かつてはいいイメージを持たない人もいたダンスも、市民権を得つつあります。

2024年パリオリンピックでは「ブレイキング」(ブレイクダンス)が種目となり、スポーツとして広く世界中で認知されることになります。

スポーツクラブのスタジオレッスンのイメージがあるダンスですが、それを超えて、広く老若男女が行うスポーツとして今後広がりを見せることが予想されます。

ダンススタジオ開業は、社会の流行に沿った有望な事業であると言えるでしょう。

今回は、ダンススタジオの開業について解説していきます。

ダンススタジオ開業はどこでもできるわけではない!開業方法に注意しよう!

広く子どもから大人まで行うスポーツとして認知されつつあるダンスですが、社会制度がその流れに追い付いていません。

つまり、過去の「ダンスは不良が行うもの」というイメージに沿った法的規制が残っています。

ダンススタジオは、「風営法」(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)2条1項4号にある「ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業」になります。

実はダンススタジオは法的には「風俗」の1つなのです・・・。

「風営法」対象業種、つまり風俗業としてみなされてしまうと、学校や病院、公共施設の近くでは開業できなくなります。

小中学校の授業でダンスが必修になったのに、その学校近くでダンススタジオを開業できないというのは明らかにおかしいのですが、法律の立て付けとしてそうなっているので従うしかありません。

実際には、部屋を暗くして男女が密着して・・というダンススタジオでなければ、行政指導や取り締まりは緩くなっているとう声もありますが(現実は小学生もダンスを習っているわけで)、法制度がそうなっている以上、いつ指摘されるかわかりません。

やはり、しっかり規制を守りながら開業すべきです。

ダンススタジオは、防音設備がない場所で始めると、近隣への騒音が大きく、そこからクレームへつながります。

風営法の規制も、風紀を守るというよりも、大音量が近所へ漏れることを防ぐことがメインになっています。

自分でダンススタジオを借りて開業する場合

自分でダンススタジオを開業する場合、そのスタジオの環境が風営法を守るものでなければなりません。

風営法におけるダンススタジオ規制の要点は以下になります。

  • ダンススタジオを開業する地域を管轄している「都道府県公安委員会」へ申請して許可を得る必要がある。
  • 学校や病院等の「保護施設」が近隣にある場合はその近くで開業できない。
  • 都道府県の条例によって制限の強弱が異なる。

これらは、「公安委員会」(警察)に許可を取らないといけません。

飲食店は保健所ですが、ダンススタジオは警察なのです。

「風営法」という日本全国を規制する法律と、各都道府県の条例2つをクリアしないと、ダンス教室を開業できません。

東京都でダンススタジオを開業する場合、風営法と都条例をともに満たすダンススタジオにすることが求められます。

【風営法によるダンススタジオ規制】
・ダンス可能なスペースが一室66㎡以上あること
・風俗や風俗環境を害する可能性のある写真設備等を設けないこと
・ダンス場の出入り口は施錠しないこと
・ダンス場の照度は10ルクス以上にすること
・ダンス場の中に見通しが悪くなるような設備を設けないこと
・騒音振動に配慮する
【東京都条例によるダンススタジオ規制】
・ダンススタジオが「商業地域」の場合、保護対象施設(学校や病院)から50メートル以内(施設によっては、20メートル以内)は不可
・ダンススタジオが「近隣商業地域」の場合、保護対象施設から100メートル以内(施設によっては、50メートル以内)は不可
・レッスン以外で、客にダンスをさせてはならない
・酒類の提供や、ダンス教室の講義以外のことはNG

風営法の規定は、ダンススタジオの内装などについての規定、条例の方はダンススタジオの場所に関する規定が主になっています。

「レッスン以外で、客にダンスをさせてはならない」

当然ではないかと思いますが、ダンスが享楽的な展開につながり、風紀を害するようなことを防ぐ意味合いがあるようです。

それならばサッカーだってバレーボールだって同様だと思うのですが、「男女の密着」をネガティブに解釈する規定がいまだに残っていることに注意してください。

ダンススタジオ開業にあたり、風営法や条例の許可のため、都道府県の公安委員会等への届け出もが必要になります。

自分で行うこともできますが、許認可申請の代行ができる専門職である、司法書士や行政書士に依頼するのも1つの方法です。

レンタルスタジオでのダンススタジオ開業

自分でダンススタジオを持つ場合、風営法や条例をクリアするスタジオを用意しなければなりませんが、すでにあるダンススタジオをレンタル(時間借り)するという方法もあります。

レンタルダンススタジオならば、すでに風営法も条例をクリアしているものなので、レンタル料を支払えば、そのまま、そこの設備を使ってダンスレッスンができます。

集客方法について問題がなければ、まず、レンタルスタジオを使って開業するのも選択肢として考えてもいいでしょう。

ダンススタジオの開業資格

ダンススタジオの開業にあたって、特に法律で決まっている資格はありません。

ダンスが得意で人に教えられるスキルがあれば誰でも問題なく、またダンスのジャンルも広いので、ご自身が得意とされているもので開業してください。

なお、歴史ある社交ダンスについては「公益社団法人全日本ダンス協会連合会」の「ダンス教師資格試験」に合格する必要があります。

法律で決まっているわけではありませんが、歴史ある団体ですので、業界の掟に背いた開業はできません。

ダンスのジャンルによっては、こうした縛りもあることに注意してください。

ダンススタジオを会社設立して開業するか、個人事業主として開業するか

自分でスタジオを用意するか、レンタルスタジオを使用するか、開業方法が決まったら、法人、個人事業主どちらで開業するのかを決めます。

会社設立(法人)と個人事業主はそれぞれメリットやデメリットがあります。

会社設立

個人事業主

メリット

社会的信用がある(取引先から見て)

簡単に設立できる

経費の範囲が広い

定款などの作成義務がない

責任の範囲が有限

自由な働き方ができる

赤字繰り越しが10年である

廃業手続きもすぐにできる

売上が多くなれば個人事業主よりも税率が下がる

社会保険に加入できないため、国民健康保険と国民年金では老後が不安

最高税率が23.2%と所得税の約半分

 

デメリット

設立までの手間がかかる

社会的信用がない

設立後の帳票作成や税務申告が大変

最大税率45%と法人税よりはるかに高い

赤字でも法人住民税がかかる

無限責任で経営失敗のマイナスはすべて自分が負う

社会保険へ加入しなければならない

赤字繰り越しが3年までしかできない

会社の廃業手続きが煩雑

経費で落とせる範囲が狭い

 

社員1人では依頼が来ない

自分1人でダンススタジオをやるなら個人事業主で構いませんが、スタジオを借りる場合、法人の方が契約しやすいことがあります。 

法人であれば、登記簿謄本も取れるので、社会的信用度が高く、ダンススタジオとして使うことについて理解が得られやすいです。

もちろん、ダンススタジオをレンタルして始めるならば、個人事業主で問題ありません。

会社設立(法人)と個人事業主で異なるものに税金があります。

事業主体法人化(会社設立)個人事業主
所得税代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その5%~45%事業の売上から「事業所得」を算出してその5%~45%
個人住民税代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その約10%事業の売上から「事業所得」を算出してその約10%
消費税課税売上1000万円以上の場合支払う(2年間は支払い義務がない特例もあり)課税売上1000万円以上の場合支払う
法人税かかる(15%~23.2%)なし
法人住民税かかるなし
法人事業税かかるなし
個人事業税なしかかる

簡単に言うと、売上が低い(年間約1000万円以下)場合、個人事業主の方が税金は低くなりますが、それ以上の売上になると会社を設立していた方が節税になります。

「〇〇〇〇万円」と具体的に決められないのですが、おおよそ1000万円が目安になります。

もっとも、法人の方が社会的信用度はあるのは事実なので、一部にネガティブな印象のあるダンススタジオ開業にあたっては、多少納税額が増えても法人にする方法もあります。

「損して得取れ」ですね。

個人事業主として開業してから、あとで法人化(会社設立)することも可能です。

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スタジオ開業資金を用意しよう

レンタルスタジオの場合は、音楽CDくらいでよいのですが、自分でダンススタジオを開業するケースの場合、開業のためさまざまな機材の準備が必要です。

もちろん、室内は風営法などの基準を持たすよう造作することになります。

ダンススタジオ開業に不可欠な設備とは何か整理しよう

ダンススタジオとして不可欠な設備は以下になります。

レンタルスタジオを使わない場合、これらの工事、造作を行う必要があります。

なお、他の業種でできるような「マンション開業」は、ダンススタジオにおいてはできないものと解釈してください。

人が住んでいる隣で、大音量、ドタバタ、室内改装、いずれも許されません。

受付更衣室スタジオ(風営法の66㎡以上を満たす)、床はフローリング音響設備鏡トイレロッカーシャワー室

鏡張りにして、レッスンしているところが見えるようにした方がいいでしょう(鏡の設置は義務ではない)。

また、シャワーなど水回りの設備も必要になります。

そう考えると、他業種の開業よりも大掛かりな工事、造作が必要になりそうです。

ダンススタジオの開業は他の習い事以上に初期投資がかかります。

机だけあればよい学習塾やそろばん教室、書道教室などとは段違いに開業費用がかかります。

ダンススタジオ開業資金は?

ダンススタジオは他のレッスン系の仕事と比べて、開業費用がかかります。

ざっと見積もってみてもこれだけの開業資金が必要になります。

学習塾の独立開業費、資金内訳開業金額
物件取得(敷金礼金仲介料)200万円事務所賃貸、前家賃、資金、礼金
内装工事(鏡、床、防音)150万円(各50万円)
什器備品(机、ホワイトボードなど)30万円~50万円
音響機器20万円
運転資金(当面の生活費)50万円~70万円
会社設立費用(法定費用)6万円~20万円
合計500万円~600万円(1人会社の場合)

これだけの費用をかけて開業準備をしても、公安委員会等の許可が下りなければ開業できません。

許認可については、詳しい専門家のアドバイスや場合によっては申請代行をお願いした方がうまくいきます。

審査には属人的な要素を排除できず、許認可側とコネクションを持つ人にお願いした方がリスクは下がることもあります。

経験豊富な専門家や民間コンサルタントに相談し、事業計画書などの作成をお願いしてもいいでしょう。

開業資金については、自治体や日本政策金融公庫、各地商工会議所、商工会の窓口などで相談してみてください。開業前でも問題なく、事業計画書や資金計画などを作成し「創業融資」の枠組みで申し込みをします。

あるいは、資金調達に強い民間のコンサルタント「経営サポートプラスアルファ」などに相談して、複数の専門家の指導を受けてもいいでしょう。

店舗設備や内装工事をリースにより分割払いにするサービスを提供しています。

ダンススタジオ開業はノウハウのある「経営サポートプラスアルファ」に相談を!

ダンススタジオをめぐる社会的環境は大きく好転しています。

一方で、法改正が追い付いていない部分もあり、一部ネガティブ要素を引きずっているところもあります。

開業にあたりクリアしなければならないチェックポイントが多く、結構大変です。

しかし、今後の需要は増えていくことが予想され、今、開業に踏み切るのは悪くない選択です。

ダンススタジオの開業は風営法許可が必要であり、開業資金調達に加えて、許認可対策も重要になります。

自分だけで行うのはなかなか大変ですので、ここは司法書士、行政書士、税理士など専門家チームの力を借りた方がうまくいきます。

「経営サポートプラスアルファ」は、開業や資金調達に強い税理士集団ですが、会社設立や許認可申請については提携している司法書士、行政書士の力を借りることができ、ワンストップでダンススタジオの開業をサポートいたします。

「経営サポートプラスアルファ」では、お客様の利便性を考え、土日祝日夜間も相談をお受けしています。

また、遠隔地にお住まいの方は、LINEやZOOM、チャットワーク等を用いた対応ができますのでご安心ください。

ダンススタジオ開業資金も多く、失敗はできません。

確実な準備と開業後の成功のため、ぜひ「経営サポートプラスアルファ」をご活用ください。

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