【税理士が解説】合同会社と株式会社設立に必要な書類と手続きの違い

会社設立を検討する際に、合同会社と株式会社のどちらを選ぶかは非常に重要です。それぞれの法人形態に応じた必要書類と手続きの流れを把握しておくことで、スムーズな設立が可能となります。ここでは、両者の違いと注意点について詳しく解説します。

合同会社は、設立費用が安く、手続きも比較的簡易なため、個人事業主からの法人化や少人数経営に向いています。

必要書類一覧

  1. 定款 定款は会社の基本ルールを定める重要な書類です。合同会社では電子定款を利用することで印紙税4万円を節約できます。記載内容は次の通りです。
    • 商号(会社名)
    • 事業目的
    • 本店所在地
    • 資本金の額
    • 出資者(社員)の名前と住所
    • 業務執行社員の氏名
  2. 登記申請書 法務局に提出する主要な書類です。
  3. 資本金の払込証明書 資本金を出資した証明として、通帳のコピーなどを添付します。
  4. 代表社員の印鑑証明書 代表者が市区町村役場で取得する必要があります。
  5. 印鑑届出書 法務局に会社の実印を登録します。

手続きのポイント

  • 電子定款の利用
    紙の定款では印紙税が発生しますが、電子定款なら不要です。専用ソフトや行政書士のサービスを利用すると効率的です。
  • 資本金の設定
    設立時に資本金をいくらに設定するかは、信用度や運営計画に影響します。

株式会社は、合同会社に比べて手続きがやや複雑ですが、資金調達の面で有利な点が多く、株主の人数が多い場合や事業を大規模に展開したい場合に適しています。

必要書類一覧

  1. 定款 株式会社の定款は公証役場での認証が必要で、認証手数料が5万円かかります。内容は合同会社とほぼ同様ですが、株式の発行に関する記載が追加されます。
  2. 登記申請書 法務局に提出します。
  3. 資本金の払込証明書 銀行口座への入金証明書を添付します。
  4. 発起人全員の印鑑証明書 発起人全員分が必要です。
  5. 印鑑届出書 法務局に提出し、会社実印を登録します。
  6. 役員の就任承諾書 取締役や監査役が役職を受諾した証明書です。
  7. 株主名簿 設立時の株主とその出資比率を記載します。
  8. 資本金の払い込みに関する証明書 出資額が定款通りに払い込まれたことを示す書類です。

手続きのポイント

  • 役員の選任
    株式会社では、取締役や監査役を事前に選任しておく必要があります。
  • 株主構成の明確化
    株主名簿を作成することで、株式の所有関係を明確にします。

以下は、合同会社と株式会社の設立における主要な違いをまとめた表です。

項目合同会社株式会社
設立費用登録免許税6万円登録免許税15万円
定款認証不要必要(公証役場での認証)
必要書類の種類比較的少ない比較的多い
商号の自由度「合同会社」を含む必要あり「株式会社」を含む必要あり
経営の自由度高い制約が多い(株主総会など)

定款の作成

  • 事業目的の明確化
    曖昧な事業目的は法務局で認められない場合があります。具体的かつ適法な記載を心がけましょう。
  • 電子定款の活用
    印紙税を節約できる電子定款の利用を推奨します。

資本金の設定

  • 初期費用とのバランス
    資本金を1円から設定可能ですが、事業運営や金融機関の信用度を考慮して現実的な額を設定することが重要です。

合同会社と株式会社では、必要書類や手続きの流れに大きな違いがあります。設立にかかる費用や手間だけでなく、設立後の運営にどのような影響を与えるかを理解した上で、自社に最適な法人形態を選択することが成功への鍵です。専門家の助言を受けることで、よりスムーズかつ正確に手続きを進めることができます。

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