定款の事業目的を書く上での注意点7選!事業目的の具体例も紹介し解説

定款に記載の事業目的を書く上での注意点・ポイントは?

会社を設立登記する際に定款という書類を作成する必要があります。

定款というのは会社の概要や規則ルールを記載した書類です。

この定款には、必ず記載しなければいけない絶対的記載事項という項目があります。

絶対的記載事項の中には、事業の内容を示す事業目的があります。

今回、この定款の事業目的を書く際の注意点やポイントについて説明していきます。

事業目的を間違いなく記載していく上で、必要な注意点について説明していきます。

そして、事業目的は同業他社の定款を参考にするのが良いですが、ここでは大きな会社の事業目的について紹介していきます。

事業目的の例を見ながら、注意点を確認して下さい。

それでは、ひとつずつ注意点を説明していきます。

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定款の事業目的を書く注意点

法務局で登記し会社設立する際は、定款の作成が必要になります。

定款の中には事業の内容を示す事業目的が書かれています。

その事業目的について、事業目的を書く三つのポイント(注意点)について説明していきます。

定款の事業目的とは

定款とは、会社の概要や会社の規則・ルールを記載した文書です。

会社設立するために法務局で登記する際に必要となる書類の一つです。

そして、事業目的とは、定款における必ず記載する必要のある絶対的記載事項の一つで、その会社が何の事業をしていくかが分かる内容です。

例えば、車を使った事業をする際に、

  • 一般貨物自動車運送事業

などと記載するのが、事業目的です。

事業目的を書く3つのポイント(注意点)

事業目的を書く三つのポイント(注意点)が、以下の通りです。

  1. 適法性に沿った事業目的を書く
  2. 明確性のある事業目的を書く
  3. 営利性のある事業目的を書く

それぞれ説明していきます。

  • ポイント(注意点)
    一つ目の適法制に沿った事業目的を書くというのは、法律に沿った事業目的を書くということです。
    違法薬物を製造・販売したり、カジノを運営したりなど法律に反することは書かないということです。
  • ポイント(注意点)
    二つ目の明確性のある事業目的を書くとは、分かりやすい文章で事業目的を書くということです。つまり誰が見ても分かるような事業内容を記載する必要があるということです。
    専門的な用語やニッチな産業の用語を使うと、誰が見てもわかりやすい文章ではなくなります。
    例えば、IT関連の事業で、「Bootstrapを利用したホームページ制作事業」と書いても、分からない人がいます。
    明確性のある事業目的を書くには、同じ業種の違う会社の事業目的を参考にするとよいでしょう。
  • ポイント(注意点)
    三つ目の営利性のある事業目的を書くとは、営利を目的とした事業内容であるということです。
    会社の設立には営利を目的とした事業の必要があります。
    ボランティアや寄付行為を目的としたものは、認められないのです。つまり、会社がしっかりと営利目的であることが分かる事業目的を書く必要があります。

適法性、明確性、営利性のポイント(注意点)についてしっかり書かれてるか、分からない場合には法務局に問い合わせるとよいでしょう。

以上が、事業目的を書く際のポイント(注意点)です。

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定款の事業目的を書く上での注意点

定款の事業目的を書く上での注意点7個は、以下の通りです。

  • 【注意点1】会社の成長を見越して書く
  • 【注意点2】事業目的を幅広く書きすぎない
  • 【注意点3】分かりやすい文言で書く
  • 【注意点4】同業他社の定款の事業目的を参照する
  • 【注意点5】業種によって許認可が必要になることがある
  • 【注意点6】事業目的に記載以外のことで収入があった場合、雑収入となる
  • 【注意点7】「前各号に付帯関連する一切の事業」と最後に記載する

定款の事業目的を書く上での注意点を、それぞれ説明していきます。

【定款の事業目的を書く上での注意点1】会社の成長を見越して書く

定款の事業目的を書く上での注意点1番目は、「会社の成長を見越して書く」ということです。

基本的には定款の事業目的で書いた内容しか、事業を行ってはいけません。

会社設立時に行う予定のある事業目的については、当然書くでしょう。

しかし会社は成長していき、新たな事業を始めることがあるかもしれません。

定款の変更は、後で手続きによってすることは可能ですが、手間と費用がかかるため、あらかじめ会社の成長を見越して事業目的を書いておくと良いでしょう。

事業目的の数に制限はないため、なるべく想定できる事業目的は、全て書いておいた方が良いです。

以上が定款の事業目的を書く上での注意点1番目の、「会社の成長を見越して事業目的を書く」ということです。

【定款の事業目的を書く上での注意点2】事業目的を幅広く書きすぎない

定款の事業目的を書く上での注意点2番目は、「事業目的は幅広く書きすぎない」ということです。

定款の事業目的の数には制限がありませんが、あまりに多くの幅広い事業目的を書きすぎるのは問題です。

定款は、取引先や金融機関がチェックできるので、当然、事業目的も見ます。

その際に、あまりにも幅広い事業目的を書いていると、この会社は何をしている会社なのかと不審がられてしまいます。

あまり多くの事業目的を書きすぎないようにしましょう。

事業目的の数の目安としては、5個から10個程度が適当でしょう。

例えばソフトバンクのように大企業で幅広い事業をしているなら、50個などの事業目的を書くことはありますが、一般的な会社がそのような多くの事業目的は、書かない方がいいです。

以上が定款の事業目的を書く上での注意点2番目の、「事業目的は幅広く書き過ぎない」です。

【定款の事業目的を書く上での注意点3】分かりやすい文言で書く

定款の事業目的を書く上での注意点3番目は、「分かりすい文言で書く」ということです。定款は法人登記簿に保存され、誰でも見られます。

自分の会社の事業分野の人だけでなく、違った分野の取引先や金融機関が見ることがあります。

そのため事業目的は、分かりやすい文言で書いてあるほうが望ましいです。

事業目的は、自社のメインの事業をするところから順番に書いていくのがおすすめです。

定款の事業目的を見た人が、何を優先しているのかが分かるからです。

以上が定款の事業目的を書く上での注意点3番目の、「分かりやすい文言で書く」です。

【定款の事業目的を書く上での注意点4】同業他社の定款の事業目的を参照する

定款の事業目的を書く上での注意点4番目は、「同業他社の定款の事業目的を参照する」です。

どのような事業目的を書けばいいのか分からなかった場合には、同業他社の定款に書いてある事業目的が参考になります。

同業種の場合に、どのような言葉を使っているのかが分かり、参考になります。

定款の事業目的は、ホームページに記載されていたり、インターネットで「●●会社 定款」と検索すると出てきます。

また手数料を払えば、法人登記簿の閲覧も可能になります。

以上が定款の事業目的を書く上での注意点4番目の、「同業他社の定款の事業目的を参照する」です。

【定款の事業目的を書く上での注意点5】業種によって許認可が必要になることがある

定款の事業目的を書く上での注意点5番目は、「業種によって許認可が必要になることがある」ということです。

業種によって許認可が必要になり、その際事業目的に適切な事業目的が書かれている必要があります。

定款に必要な事業目的が書かれていない場合は、許認可が取れない場合があるので注意が必要です。

許認可の業種、許認可の内容、届出場所は、例えば以下のようなものがあります。

業種許認可内容届出場所
飲食業飲食店営業許可保健所
酒屋酒類販売免許税務署
薬局薬局開設許可保健所
リサイクルショップ古物商許可警察署
クリーニング店クリーニング所開設届保健所
人材派遣労働者派遣業許可/届出ハローワーク

許認可が必要な業種というのはとても多くあるため、インターネットで検索して調べたり、役場に聞いたり、専門家に相談するとよいでしょう。

【定款の事業目的を書く上での注意点6】事業目的に記載以外のことで収入があった場合、雑収入となる

定款の事業目的を書く上での注意点6番目は、「事業目的に記載以外のことで収入があった場合、雑収入となる」ということです。

事業目的以外のビジネスは基本的にしてはいけないですが、事業目的以外の収入があった場合、売り上げには計上できず、雑収入になるため注意が必要です。

ある程度の収入があるならば、やはり定款を変更し、事業目的に新たな事業を追加する必要があるでしょう。

以上が、定款の事業目的を書く上での注意点6番目の、「事業目的に記載以外のことで収入があった場合雑収入となる」です。

【定款の事業目的を書く上での注意点7】「前各号に付帯関連する一切の事業」と最後に記載する

定款の事業目的を書く上での注意点7番目は、「前各号に付帯関連する一切の事業」と最後に記載することです。

付帯関連すると記載されていますが、関係ない事業でも禁止されることはほぼありません。

そのため、メインとなる事業目的と将来やる可能性のある事業目的をコンパクトに記載し、最後に、「前各号に付帯関連する一切の事業」と記載するのがおすすめです。

この後紹介するキユーピーの定款にも記載されていることが、分かります。

以上が、定款の事業目的を書く上での注意点7番目の、「前各号に付帯関連する一切の事業」と最後に記載することです。

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定款の事業目的の例

これまで定款の事業目的の各注意点について説明してきましたが、具体的な事業目的を紹介してきたいと思います。

実際に企業が書いている事業目的を見ることで、どのような事業目的を書けばいいのか、理解が深まります。

キユーピー株式会社の定款に記載の事業目的

定款の事業目的の注意点を見た後に、キユーピー株式会社の定款を見てみましょう。

キユーピー株式会社の定款に記載の事業目的は以下の通りです。

(1)「マヨネーズソース」その他一般ソース類の製造販売
(2)各種瓶缶詰食料品その他各種食料品の製造販売
(3)食品添加物の製造販売
(4)医薬原料、医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品、その他化学製品の製造販売
(5)飼料、肥料の製造販売
(6)食料品および医薬品の製造用機器その他各種機器の製造販売およびこれらに附帯するエンジニアリング業務
(7)管工事業、機械器具設置工事業、建築工事業および電気工事業
(8)建築の設計、施工、監理およびコンサルティング業務
(9)不動産の賃貸
(10)食料品加工用設備の運転および管理
(11)工場・店舗の総合清掃、警備および保安管理業務
(12)農畜産業の経営
(13)前各号に附帯する一切の業務

キユーピー株式会社定款より引用

キユーピーのように大きな会社であっても、事業目的が13にとどまっていることが分かります。

注意点に書いたように、事業目的は、書きすぎないようにしましょう。

またメインとなるマヨネーズソースに関連する事業目的を、最初に書いていることも注意しましょう。

日本航空株式会社の定款に記載の事業目的

定款の事業目的の注意点が分かるために、日本航空株式会社の定款を紹介していきます。

日本航空株式会社の定款に記載の事業目的は以下の通りです。

(1)定期航空運送事業及び不定期航空運送事業
(2)航空機使用事業
(3)航空機整備事業
(4)航空機及びその付属品の製造、売買並びに賃貸業
(5)航空燃料の販売業
(6)貨物自動車運送事業法に規定する貨物自動車運送事業、貨物運送取扱事業法に規定する利用運送事業及び運送取次事業
(7)倉庫業及び通関業
(8)ホテルその他の宿泊施設、飲食店、体育施設、文化施設等の経営
(9)観光事業及び旅行業
(10)広告業及び出版業
(11)一般及び特定労働者派遣事業
(12)航空事業従事者の養成訓練及び一般向け文化、教養に関する事業
(13)不動産の売買、賃貸、仲介及び管理業
(14)運送用具、旅行用品、飲食料品、日用品等の販売業
(15)情報処理及び情報提供サービス業並びに電気通信事業
(16)損害保険代理業及び生命保険募集業
(17)各種事業に対する貸付、保証及び投資
(18)総合リース業
(19)金融業及び債権買取業務
(20)会社等の帳簿の記帳及び決算に関する事務並びに、経営・経理に関する診断及び指導
(21)特許権その他工業所有権の取得・利用・処分及びその仲介
(22)外国為替取引に関する業務
(23)両替業
当会社は、前項各号の事業に附帯又は関連する一切の事業その他前項の目的を達成するために必要な事業を営むことができる。

日本航空株式会社の定款より引用

日本航空株式会社の場合にも、事業のメインとなる定期航空運送事業及び不定期航空運送事業や航空機使用事業が最初に来ています。

そして最後に付帯業務に関する一切の事業という記載もあります。

日本航空株式会社の定款の事業目的を見れば、これまで説明してきた注意点が理解できるのではないでしょうか。

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定款の事業目的以外のビジネスをした場合の注意点

定款の事業目的以外のビジネスをした場合の注意点としては、法律での罰則はないということです。

特に定款に記載の事業目的以外のビジネスを行ったとしても、目的を達成するために行った関連事業であると判断されます。

そのため定款の事業目的以外のビジネスであるという理由で、取引の解除は、できません。

しかし定款の事業目的以外のビジネスをする場合には、ビジネスに支障をきたす場合があるので注意が必要です。

注意点で説明したように、事業目的にはメインとなる事業以外にも、将来やる可能性のある事業目的はやはり記載しておいた方が良いでしょう。

そして最後に「前各号に付帯関連する一切の事業」と記載しておく必要もあります。

以上が、定款の事業目的以外のビジネスをした場合の注意点です。

定款の事業目的の注意点を把握して、間違いなく書類を準備しましょう

定款の事業目的は、注意点を把握して間違いなく準備しましょう。

定款の事業目的を書く上での注意点7個は、以下の通りです。

  1. 会社の成長を見越して書く
  2. 事業目的を幅広く書きすぎない
  3. 分かりやすい文言で書く
  4. 同業他社の定款の事業目的を参照する
  5. 業種によって許認可が必要になることがある
  6. 事業目的に記載以外のことで収入があった場合、雑収入となる
  7. 前各号に付帯関連する一切の事業」と最後に記載する

定款の事業目的は、取引先や金融機関が見るためとても大切です。

注意点に気を付けながら事業目的を書くようにしていきましょう。

同業他社の定款の事業目的を参照する場合には、同業他社の会社名を入力して検索すると良いでしょう。

例えば、飲食店に関する事業目的を書きたい場合には、「すかいらーく 定款」というように検索していきます。

その他に挙げた注意点を見ながら事業目的の例を見て、参考にしてみてください。事業目的に関する注意点に関する解説は以上です。

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【まとめ】設立手数料0円の会社設立サポート

定款の事業目的に関する注意点について見てきました。

もし、会社設立する場合、多くの書類を準備し、さまざまな申請をする必要があります。

定款の事業目的に関する注意点についての相談など、専門家にお願いするのが安心です。

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定款や事業目的作成の注意点なども相談できます。

会社設立までは、対面相談でもオンライン相談でもできます。

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設立費用は、合同会社の設立の場合には6万円、株式会社設立の場合は20万2,000円から行えます。

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