合同会社はやばいのではないかと考えている人がいます。
その理由は様々ですが小さな噂や間違ったイメージが積もり積もって、合同会社はやばいと言われるようになっているのです。
しかし、合同会社は正規の手続きで作られた法人で、やばいところは全くありません。
イメージでやばいと言われているだけですので、今回はそのように言われる理由と事実についてご説明します。
合同会社はほんとうにやばいのか
冒頭でも触れてはいますが、合同会社は本当にやばいものなのでしょうか。
まずは気になる部分について合同会社の概要を踏まえながらご説明していきます。
そもそも合同会社とは
そもそも合同会社を理解していない人がいても不思議ではありません。
まずは合同会社の特徴についてご説明します。
合同会社は株式会社と似たような特徴を持ちますが、株式会社よりも簡単な手続きで設立できるようにされているものです。
現在施行されている新会社法で設立が認められましたので、会社の形態の中でも比較的新しいものです。
株式会社と比較して、合同会社では根本的に違う部分があります。
特に会社の所有者に違いがあり、株式会社は株主が会社の所有者ですが、合同会社は出資している「社員」が会社の所有者です。
経営と所有の分離があるかどうかで大きな違いがあります。
なお、合同会社は設立コストや維持コストが株式会社よりも小さくなっています。
そのため合同会社は注目を集めていて、現在は新規に設立される会社の3割程度が合同会社で占められています。
全体の数としてはまだまだ少ない状況ですが、合同会社は着実にその地位を固めてきています。
合同会社がやばいと言われるのは嘘
合同会社がやばいと言われる場面はいくつもありますが、これらは事実ではありません。
合同会社がやばいという意見は嘘だと言い切っても過言ではないでしょう。
確かに合同会社の中にはやばい状況にあるものが含まれているかもしれません。
例えば倒産の危機であったり事業内容にやばいものが含まれているなどが考えられます。
ただ、このような事例は合同会社の中でも稀なものです。
全ての合同会社がこのような状況に当てはまるわけではなく、一部の状況だけで合同会社はやばいものだと判断してはなりません。
一概に合同会社がやばいと表現されるのは誤りで、もはや嘘だと捉えて差し支えありません。
合同会社がやばいと言われる4つの理由
繰り返しになりますが合同会社はやばいものではありません。
しかし、実際にはやばいと言われる場面が多くあり、その理由は以下だと考えられます。
- 知名度が低いから
- 株式での資金調達ができないから
- 意思決定が遅くなってしまう場合があるから
- 社員の死亡時に会社が消失する可能性がある
それぞれについてどのような観点からやばいと考えられるのがご説明します。
やばいと言われる理由1:知名度が低いから
合同会社がやばいと言われる大きな理由は、単純に知名度が低いからです。
会社の形態の中でも知名度が低いために「合同会社のように名前を聞いたことがない会社はやばい」とのイメージが付いているようです。
合同会社の概要でもご説明したとおり、合同会社は新会社法が施行されてから設立が認められるようになった形態です。
設立が認められるようになってからまだ日が浅く、合同会社の絶対数は少ないのが実情です。
新規の設立数は年々増えている状況ですが、法人全体でみると圧倒的に株式会社の方が多く知名度が高まっていないのです。
聞いたことがない会社の形態について「やばいのではないか」「大丈夫なのか」などの気持ちを持ってしまうのは不思議なことではありません。
知らないことについて心配になるのは自然な流れといえるでしょう。
ただ、それはあくまでも本人が知らないだけで、世の中としてやばい状況ではありません。
単純に合同会社の知名度が低いために、「やばいのではないか」と考えてしまう人が多いのです。
やばいと言われる理由2:株式での資金調達ができないから
株式の発行による資金調達ができません。
合同会社は株式の発行をしていませんので、株式会社のような資金調達方法は選択できないのです。
これが資金面の不安に繋がるとして、合同会社はやばいと表現する人がいます。
確かに株式会社は株式の発行で比較的柔軟に資金調達ができます。
銀行からの借り入れなどには時間がかかりますが、株式の発行であれば比較的スムーズに対応できます。
また、銀行の借り入れは断られる可能性がありますが、株式の発行は買い手さえいれば問題なく成り立ちます。
ただ、株式での資金調達ができないからと言って、それが直接やばいとは言い切れません。
合同会社は社員が出資すれば資本金を増やせますので、手続きさえすれば資金調達ができるのです。
ただ、株式の発行のように第三者から自由に資金調達はできません。
「社員」に該当する人が手続きをして資本金を増やさなければなりません。
そのため社員に手持ちの現金がなければ、資金調達はできなくなってしまいます。
そのようなリスクがある点では若干やばいかもしれません。
しかし、株式での資金調達ができないからと一概にやばいわけではありません。
やばいと言われる理由3:意思決定が遅くなってしまう場合があるから
合同会社は意思決定が遅くなってしまう可能性があります。
この点についてやばいと感じている人がいます。
基本的に合同会社は出資している社員同士の合意によって物事を決定します。
社員はそれぞれ議決権を1つ持っていますので、純粋に社員の人数による多数決で物事を決定します。
自分しかいない合同会社ならば、自分だけで全ての物事を決定できるわけです。
言い換えると、社員同士で意見が割れると意思決定ができなくなってしまいます。
特に社員の人数が偶数の場合、意見が真っ二つに割れてしまうかもしれません。
そうなると会社の重要事項が決定できず、意思決定ができないまま時間だけが過ぎていきかねません。
株式会社の場合は株主が決定しますので、合同会社よりも意思決定がスムーズにいく可能性が高まります。
株主の構成によっては真っ二つに割れてしまう可能性はありますが、そのような状況に陥るケースはあまりないでしょう。
合同会社では社員の人数によって、意思決定ができない可能性があります。
時間だけが過ぎ重要な物事を決定できないリスクはあるため、やばい状況にならないように最終的な意思決定者を設けておくなど事前に手立てを打つべきです。
やばいと言われる理由4:社員の死亡時に会社が消失する可能性があるから
合同会社は社員が保有する仕組みです。
そのため社員が死亡してしまうと、合同会社が消失する可能性があります。
この点は合同会社の仕組みとしてやばいですので、理解しておいた方が良いでしょう。
株式会社は所有者が株主ですので、仮に代表取締役が死亡しても会社自体は消失しません。
株主が新しい代表取締役を選出し、新しい体制で経営は続けられます。
しかし、合同会社は所有者が社員ですので、社員が死亡すると所有者がいなくなってしまいます。
結果、合同会社が消失してしまう可能性があり、これは関係者にとって非常にやばい状況です。
ただ、合同会社の社員が複数いれば、万が一誰かが死亡してもすぐに会社が消失する可能性はありません。
また、社員が1人しかいない状況でも、定款に対応方法を定めておけば合同会社は消失しません。
何も対策しなければやばい部分ですが、十分な対策をすれば問題は解決できます。
株式会社と異なるため「やばい」イメージがあるだけ
合同会社の概要や合同会社がやばいと言われる理由についてを説明しました。
ご説明したとおりやばいのは基本的にイメージで、実際に何かしらやばい部分があるわけではありません。
今まで誤認していた人は以下の内容を確認して認識を改めましょう。
新しい会社の形態として合同会社を認識すべき
合同会社がやばいと言われる背景には、合同会社の知名度が低いことがあるとご説明しました。
現時点で合同会社をやばいと認識している人の大半は、ここに該当するのではないでしょうか。
まずは、合同会社も会社法で認められた正規の会社の形態であることを認識しなければなりません。
そもそも世の中的には株式会社の知名度が非常に高く、それ以外の会社の知名度は低い状況です。
実は株式会社や合同会社以外にも会社の形態はあり、合弁会社と合資会社があります。
これらについても知らなければ「やばい」と認識してしまう可能性がありますので、会社の形態については知識をアップデートしておきましょう。
上記でもご説明したとおり現在は合同会社の設立が増えています。
そのような状況で合同会社の認識がなければ、ビジネスに悪影響が出る可能性が十分にあります。
まずは合同会社がどのようなものかを正しく認識することから始めましょう。
やばいイメージはこの機会に払拭する
勝手なイメージで合同会社をやばいと認識しているならば、この機会にそのイメージを払拭しましょう。
合同会社を一概にやばいと認識していると、この先何かしらの問題が起きてしまう可能性があります。
そもそも合同会社に限らず、勝手なイメージでやばいと認識するとビジネスに悪影響が出るのは言うまでもありません。
イメージだけで物事を決めつけるのは社会人として避けなければならない行為です。
会社を設立するにあたり合同会社がやばいと認識していたならば改めるべきですし、クライアントが合同会社でやばいと感じたならばその認識も改めるべきです。
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まとめ
合同会社がやばいのかどうかについてご説明しました。
合同会社はやばい会社ではなく、知名度の低さからそのようなイメージが付いているだけです。
合同会社で働いても合同会社と取引をしてもなんらやばいことはありません。
なお、実際とは違うイメージがついてしまったがために、お困りの経営者がいるのかもしれません。
もしそのようなお困りごとがあれば、一度経営サポートプラスアルファにご相談ください。
状況次第では株式会社に変更するなどの選択肢が考えられますし、必要に応じて手続きのサポートも致します。